足の捻挫とその後

[足の捻挫とは]

足の捻挫(足関節及び足部の捻挫)は外傷の中でも極めて頻度が高いです。

足関節は構造上、横方向では外側より内側に大きく動くため、怪我をする頻度も内側にひねって起こることが多いのです。つま先が下を向いた状態で足首を内にひねる動作(土踏まずの内側が上を向くような形)(画像1)で、過剰な力が加わって捻挫することが最も多く、その場合には足首の外側が伸ばされて外くるぶしの前方と足の距骨をつなぐ前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)が過度に緊張してまず損傷します。
程度が強ければ足首の外側の別の靭帯(踵腓靭帯 = しょうひじんたい)をさらに損傷します(画像2)

足のひねり方によっては、足首の内側の靭帯や足の甲の部分の靭帯を痛める場合もあります。
また、怪我の状況が同じようであっても靭帯の損傷に止まらずに骨折が起こる場合があります。
この場合は骨折の治療を行います。子供では特に靭帯が断裂するかわりに靭帯の付着する骨の表面が剥がれる剥離骨折(はくりこっせつ)という状態になる場合があり、たかが捻挫と侮っていると重症の怪我の治療が遅れて後遺症を残す場合もあり、初期の治療が非常に大切です。

[ 症状 ]

足関節や足の痛みによって歩きにくくなります。損傷した部分を中心に腫れて皮下出血により色が変わります(画像3)。
時間が経過すると腫れや変色は広い範囲に広がります。靭帯が完全に断裂した場合は、関節が不安定になり、適切な治療を行わなければ後に捻挫を繰り返したり、関節表面の軟骨を損傷したりして、日常生活やスポーツ活動に障害をきたす場合があります。

多くは足関節を内側に強くひねることで足関節を支えている靱帯が断裂します。
靭帯の断裂まではいかない軽度なものと、靭帯が完全に断裂してしまう重度なものがあります。
足関節外側には前距腓靭帯・踵腓靭帯・後距腓靭帯の3つの靱帯がありますが、前距腓靭帯の単独断裂や前距腓靭帯と踵腓靭帯の複合断裂が多く見られます。
また以前の捻挫で靭帯が切れてしまったままの状態で捻挫を繰り返している場合もあります。
この場合、足関節のぐらつきにくらべて腫れや内出血などの症状は軽く済むことが多いです。

 

[ 治療 ]

初期治療
受傷してすぐはRICE処置をします。
RICE処置とは
R : rest (安静)
 局所を動かさないように固定します 
I : icing (冷却)
 冷やすことで腫れを防ぎます。冷湿布では冷やす力が足りないため、氷嚢や保冷剤などで冷やすとよいです 
C : compression (圧迫)
 包帯などで圧迫し、腫れを防ぎます(過度に締めすぎると血流がわるくなるので注意してください。)
E : elevation (挙上)
 下肢を高くして腫れを防ぎます。

 

初期治療後は病院や接骨院で見てもらう事をおすすめします。

完全に靭帯が断裂している場合はある程度の安静が必要となります。
当院ではギプスシーネによる固定を症状に応じて1~3週間ほど行います。
ギプスシーネによる固定は取り外しができるので入浴が可能ですし、足関節を適度に制限しながら動かすことができるため、足がむくんだり足関節が硬くなりすぎてしまったりするのをある程度防ぐことができます。
しかしあまり長期間固定を続けると足首が硬くなってしまうことがありますので固定は必要最小限にとどめます。

固定によって硬くなったり、固定をしていたのにも関わらず、靭帯がうまく修復されずに緩んだ状態になったりした場合にはぐらつきをおさえるような筋力トレーニングや硬くなったところをほぐし動きを改善するような運動の指導を行っていきます。

[ 治療方法:特に外側靭帯損傷について ]

足関節周囲の捻挫でも多数を占める外側靭帯損傷の治療方法を紹介します。
 

軽症の時
痛みがなくなり次第運動を開始します。

中等症のとき
約1〜2週間包帯・テーピングなどの軽い固定を行います。
痛みがあれば、さらに固定を1〜2週続けます。 
痛みが強いときは、痛めた足は、使わないようにします。無理に使うとかえって復帰が遅れます。痛みの状態を見ながら動かしていき、痛みがあれば動かさないということです。(無理に動かせば伸びた靱帯が、ますます伸びてしまいます)
痛みが取れてくれば、足首の曲げ伸ばしを行います。最初に背屈(自分側に曲げる)から行います。

重症のとき
約2〜3週間ギプス等で固定します。その後は、リハビリとなります。

また、手術治療を行うことは少ないですが、重症のとき行われることがあります。
動かせない間は、良い方の足や全身の筋力トレーニングを行います。
痛みがなくなればすぐ下腿筋力トレーニングを行います。
筋トレは、地味で楽しくありませんが、 復帰を早めるためや、再度捻挫しないためにもぜひ行ってください。
痛くなく筋力トレーニングが行えれば、いよいよジョギングからはじめ少しずつ走る量を増やしていき、復帰していきます。
トレーニング開始時に痛みや 不安定感があれば伸縮テープを使ってテーピングを巻いてトレーニングを行います。

ゴムチューブを使ったトレーニングは痛みを見ながら少しずつ強さを増す(痛みがあればテーピングして行う) 

外反力のトレーニング
いずれも痛みを見ながら少しずつ強くできる様にする。

 

いつまでも痛みが取れないときは?
 3-4ヶ月たっても痛いときは、初期治療や、リハビリに問題があったかもしれません。しかしこの時期に安静にしても意味がありません。徹底的な下腿筋力強化を行ってください。医師の指示を仰ぎ、テーピング・装具などで様子を見ながらスポーツを始めることをおすすめします。
ただ筋トレをする以外に不安定板を使ったリハビリ等もあります。
筋トレは大変地味で退屈な訓練ですが効果はあります。                        

[ 捻挫の後遺症 ]

捻挫の治療が早期に適切に行われなかった場合や、患者さんが諸事情で治療を受け入れなかった場合に関節の不安定性や痛みが残ることがあります。
長期間が経過した後に関節の不安定性が残った場合には、保存的治療で十分に改善させることは困難です。
この場合に確実に関節の不安定性を改善させる方法は手術療法です。
手術の内容は、靭帯修復術や各種の靭帯再建術などの方法があり、関節の状態によって変わっていきます。
手術を望まないケースに対しては、リハビリによる関節周囲の強化、運動場面などでテーピングやサポーターを使用するという方法で対処します。

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